お言葉に甘えてみると

気が付けば すっかり若葉の季節

今年も卒業と入学、それに伴う準備、4人それぞれの新学年の懇談会に授業参観にと

家庭のことでバタバタと過ごした春でした




恐縮ですがお釈迦様とお誕生日の近い私は

花祭りをお祝いするついでに ケーキを買って貰います

今年はこれに 住職から 「 侍(さむらい) 」 と言う男前な名の 真紅のバラをいただきました

普通女性には今流行りのオールドローズとかじゃないんかな?

男前な坊守にはこっちの方が似合う?






「 お母さんも大きくなったねぇ 」 とシンちゃんからは褒めてもらいました
 
  おかげさまで



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キョウちゃんの高校の入学式は ちょうど桜が満開でお天気も良く

もちろん 住職とは一緒に入学式に出られるはずもなく

私だけが朝からのんびりと バスに揺られて行ったのであります




なが~~い いつも聞く入学式の挨拶を数時間お聞きした後 終了

たくさんのご父兄が校門の 『 平成28年度 入学式 』 の看板と記念撮影され 

私たちも同じく撮影を終えてバス停へと急いだのでした





長い行列でバスに乗ると 後ろから 先ほど隣で記念撮影されていた

関西弁のおじい様とおばあ様とお孫さんらしき親子が乗ってこられました

ぎゅうぎゅう詰めでしたが私の前の優先席が二つ空いていましたから

後に見えたそのおじい様とおばあ様に 「 どうぞ 」 と席を勧めました

「 あ! こりゃあどうも 私はもう76でして 年をとると立っていられなくて

  お言葉に甘えて ありがとうございます 」

気持ちよく座っていただきました

「 〇〇や じいちゃんは お前が卒業する時は80だ それまで 元気でいないとなぁ 」  

しみじみ話しておられるのを わたしは聞いていないふりをしながらしみじみと聞いたのでした

そして 二つほど先の停留所で

「 や どうもありがとうございました どうぞ 」

と 私に席をすすめて降りて行かれました





履き慣れないヒールでバスに乗って立っていると足がズキズキ

ホッとしておじい様の後に座らせていただいて 住職に「今帰りのバスの中」だとメールを打っていました

ふと 隣の 多分同じく入学式に出席された帰りの女性が立ちあがる気配がして

顔を上げると 黒い大きなリュックを背負って 黒い大きな手提げバックを持った小さなおばあさんが

よっこらしょ といった感じでバスに乗って来られたようでした

あと 『 送信 』 を押す所まで来ていた私は 顔を上げ腰を上げるのが遅れたのです

隣の女性の気遣いに気が付いたおばあさんは

笑って  「 大丈夫ですよ 直ぐに降りますからね 」 と言われました



一つ目の停留所で降りられなかったので

「 メールなんかしててすみませんでした  やっぱりどうぞ 」 と私が席を立つと




「 いやいや ホントにいいんですよ 大丈夫 あなた達はお子さんがいらっしゃるんでしょう?

  私はもう自分が生きてるだけの気楽な身分 85になりますけど おかげさんでこの足も動きます

  子供を育てる時が一番大変ですよ はははっ 」


「  え?! 85?! いやぁ お願いですから代わってくださ~い  」 と私が頼むと




「  いや  ホントにすぐ降りるからね  お座りなさい 」 

そう言って 前に立つと私が落ち着かないと思ってか ドアの方に移動してくださいました

次の停留所で おばあさんはホントに降りられるのかしら と ドアの方を見ると

おばあさんはこちらに ニッコリお辞儀をして降りていかれました





不思議な なんとも言えず 余韻の残るご縁でした





皺の刻まれたお顔の きれいに澄んだ目のおばあさんは  

お金のある人の格好ではありませんでした

でも 全て満たされた人のお顔でした





対してその時私は ちょっと地味で上品そうに見える一張羅の紺のスーツに身を包み

本物に見える真珠のネックレスをつけて黒いヒールの靴を履いて ほほほっ と装っておりました

バスの窓に映る自分の姿を見ながら   恥ずかしいなぁ・・・ こっそりお念仏申しました






降誕会にお出でてくださる 大田先生が新聞に書いておられました



『 こころを 「 内 」   かたちを 「 外 」 とおいて考えますと

  親鸞聖人の『愚禿釥』冒頭の言葉が浮かんでまいります

  法然上人の人徳に接し、その教えに耳を傾けることによって本当の意味で

  この親鸞のこころが明らかになったということを最初に揚げられ

  
    賢者の信は、

    内は賢にして外は愚なり。

    愚禿が心は、

    内は愚にして外は賢なり。

   ( 註釈版聖典501ページ )

   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  』  






光に照らされると その姿は目によく見えます

わたしのこころは目には見えませんが 目にはみえないはたらきによって本当の相を

照らし出されることがあります

バスのご縁でおばあさんのお言葉に甘えてみましたら

思いがけず 愚鈍で滑稽なわたしの相が照らされました

ようこそ ようこそ





                                                なもあみだぶつ 
by shinwoyorokobu73 | 2016-04-27 18:22 | 思いがけず | Comments(0)
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