あの姿は

この秋  佐賀でご縁の深かった方々が続けて往生なさいました





縁が深かっただけに たくさんの事を残してくださっていて

その時に 見えていなかったことが

今 お浄土からの声になって聞こえてまいります





私も若くて 人の事は人の事と その坊守さんの独り言を 聞き流したことがありました

あれは  私に向けてのことだったと  今頃になってその姿をいただいています



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今思えば 人の噂話も相当する 妬みもする 羨みもする 余計と思われるおせっかいもやく

声も態度も大きく 大坊の坊守さんらしい坊守さんで

民生委員も長く勤めあげ

その前を素通りはできないような風格も体格も持ち合わせた坊守さまでありました

ご自分の心 そのまんま 正直な方でありました





親戚で無かったら、きっと私とは仲良くしていただくことはなかったであろうタイプのお方でありました

しかし 若いころから何かと目をかけてお世話をしてくださって 

その寺の法要にはお手伝いとして呼んでいただいて たくさんのことを仕込んでいただきました

あの頃が無かったら 今こうして

縁もゆかりもないこの土地でお念仏を伝えるお手伝いなど

私にはできてはいないことでしょう





一週間  お朝事は5時半から  午前のご法座  午後のご法座

何十人のご門徒のご婦人方にお手伝いいただき

お斎は200人分を準備して ご講師のお食事は別の物を

順番報恩講の時には数千人のお参りを見事に取り仕切り

お朝事には おばあちゃんおじいちゃんに手を引かれた子供たちも参りし

「 よう参ったねえ よう来たねえ 」 と迎えておられました



私たちが小中高校生の間

正月の親戚寄りには5~60人の全国の親戚がその寺に集合

私たち子供にお年玉を配るだけでも大変なこと

泊まりの親族の準備など どうなさっていたのだろうか

大人になって裏方のご苦労を想像するばかりです



一生涯あれだけの事をやってのけることが

どれほどの事か 今改めて頭が下がります





その上 二人の大坊守をお寺で介護をして送り その後前住職を送り

夫である住職を送り 最後にご自分が往かれました





そんなスーパー豪快な坊守さんが

法要のお手伝いで泊まった晩に

夕餉も終えてお風呂も済んだ後 小筆を出してこっそり字を書いておられました

ご自分の名前を練習しておられました

私は「書」だけはずっとやっていましたので

坊守さんは私に見せるのは恥ずかしそうで ちょっと隠すように筆を動かしながら




「 ななみさんみたいに書ききらんもんねぇ

  私はもっとまる~~か(丸い)字で 名前ば書ききるようになりたかぁ 」 と






日頃の坊守さんの豪快な振る舞いからは想像し難い様子に

その時は 「 へぇ~ 坊守さんでもそんな風に思っていらっしゃるんだ 」 

と評論家みたいに眺めただけでしたが




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ご往生の知らせを受けてから

ふっとこの事が思い出されます






一生涯にどれだけのご法話を聴聞なさったでしょう

毎年毎年 毎席毎席 一番前でお聴きでしたはず

「 まる~~か字 」 は本当に文字のことやったんやろうか?

「 私は 丸くは成りきらんねぇ  ・・・でも 成りたかねぇ 」 の姿だったんじゃなかろうか?

人の噂話もたくさんしたけれど 人を羨んだりもしたけれど

丸くなろうが  なかろうが  御手の中

・・・・・の姿だったんじゃなかろうか





あれは私に向けた仏様のご催促だったに違いない

わからんかった! あの時は・・・

「 柔らかな字だ 」 と 驚いて見たことも忘れてしまっていて

良いとか悪いとか私の方が他人の事ばかりに点数をつけて

わかっとらんかった!

もったいない  なんまんだぶ

どれだけの事を  わからずに生きとったんやろう・・・・・

取りこぼしばかりの 私です

ありがとうございました ありがとうございました






みんな この世で出会う人は

年よりも 幼い人も 誰でも

私が持っているものを 業を 映し出してくださっている  いつも いつも

こちらが気づかん時にも  いつも いつも

                                   

   ありがとうございます





                                                なもあみだぶつ




                                              






















 
by shinwoyorokobu73 | 2015-12-14 12:33 | こんなこと | Comments(0)
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