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おじちゃんとおばちゃんに

ストーブの上のやかんがしゅんしゅん湯気を出す音が聞こえます。

年始の落ち着かなさもひと段落して、
「 あ、やかんは磨いてなかったなあ、あらまあその下のストーブも。 」 と今頃気づく始末です。
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亡くなった祖父は大変私のことをかわいがってくれましたが、
「 お前は詰めが甘い。」 とよく言われました。
子育てとお寺のこと、家庭のやりくり。
やっぱり今も「詰め」どころか、要領の悪さと言ったら耳元で祖父のため息が聞こえそうです。



この度は
年末にも新しい年になってからも、
何故かいろいろな方が初めて訪ねて見えました。



特にクリスマスの翌日、
真っ白いくるくる巻き毛のおじいさんが掲示版の前をうろうろなさっていました。
(昨日はクリスマスで世間は賑やかだったけど・・・・まさかお寺にサンタさん?・・・・・)

あんまり行ったり来たりなさるので、
「 あの~、ここに何かご用ですか?」と声をかけてみました。

「 はい!!私は・・・・・・・・・・・・・・・」

本堂にお入りいただいてお話を伺うと、
故郷に住んでいた99歳になったお母様が昨年亡くなって
法事や手を合わせる所はどうしようかと悩んでいたところ、
その日偶然近くを通りかかって西法寺の看板を目にしたのだと。

最初涙目で話されていたのが 
「 そうでしたか、よかったよかった見つけてくださって 」
と言いましたら、 ぽろぽろ ぽろぽろ 泣かれます。

「 私、77歳になります。恥ずかしながらこの年まで仏の道も全く知らず、
  これは仏の(亡くなった母の)導きと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。」

涙も鼻水も一緒に流しながらそう言われました。

一通り出身地やご自分のしていた仕事の事などを話した後、

「 ああよかった、よかったぁ、最後に行くところが決まってよかったぁ。 
  今日から安心して休むことができます。」

と言って寒風の中嬉しそうに帰って行かれました。





私たちは一年中休みらしいお休みは無いのですが、
こんな出会いやご縁があるので休めません。

サンタさんみたいなおじいさんも嬉しそうでしたけど、
私も嬉しいのです。








むかし、初めてのお見合いの席で、

住職は自分が結婚して生活するイメージとは 

「 八百屋さんのおじちゃんおばちゃんとか~、魚屋のおじちゃんやおばちゃんとか、

  あんな感じだな。」

と私に向かって言いました。


その時は 「 ???・・・・・・ 」 私はイメージできなかったのですが  今はわかります。



20年たった今休みらしい休みは無く、

キラキラするものもこれといって身につけることも無いけれど、

いつも元気に訪れてくださった方を迎え、笑い、時には共に泣き、

「 ああ、あの時住職がいっていたおじちゃんとおばちゃんに  今なっているなぁ。 」

そんなことを思う年末年始でありました。




                                なもあみだぶつ
by shinwoyorokobu73 | 2013-01-07 17:18
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